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イヴ・タンギーはフランス生まれ、シュールレアリスムの画家として知られています。
1918年 軍隊に入隊した際ジャック・プレヴェールに出会い、その友好関係は生涯続きました。兵役を終えた後タンギーはバスの中から偶然見かけたジョルジョ・デ・キリコの絵に触発され、独学で絵を描き始めました。1924年ジャック・プレヴェールの紹介によりシュールレアリスムの創始者であるアンドレ・ブルトンや彼の率いるシュールレアリスム運動の画家たちに出会いました。アンドレ・ブルトンとの出会いにより決定的な影響を受けたタンギーは独自の絵画スタイルを発展させてゆきました。
そして1927年に初めての個展を開きます。この個展を見たアンドレ・ブルトンはタンギーを「もっとも純粋なシュールレアリスト」と評したといいます。
1937年 彫刻家ハインツ・ヘンゲスの紹介で後に再婚相手となる画家のケイ・セージに出会いました。第二次世界大戦の勃発にともない、1939年タンギーはセージと共にニューヨークに移住しました。アメリカで活躍し始めたタンギーは徐々に人気を博し、若いアーティストたちから絶大な支持を得ました。彼の作品はイサム・ノグチやデヴィッド・ヘア、ロベルト・マッタなど多くの著名なアーティストや思想家に影響を与えました。
タンギーの描くイメージは、現実の何かに似ているようで現実には対象物を持たず、言語化することが非常に困難です。それが一体何であるのか決してわからない にもかかわらず確固としたイメージとして存在する、そんな矛盾した様相が特徴的です。
『絵は私の目の前で展開してゆき、それが進むにつれ 驚きが明らかになります。
これこそが 私に完全な自由の感覚を与えるものなので 私は計画を立てることや下書きすることは出来ないのです』