ウジェーヌ・ドデーニュ
Eugène Dodeigne
1923年−2015年
ウジェーヌ・ドデーニュは1923年、ベルギー・リエージュに生まれた彫刻家です。13歳の時に石工職人である父の手ほどきにより彫刻を習うと、この仕事に将来性を感じて美術学校に通います。もともと芸術家としての素質もあったウジェーヌはそこで才能を開花させ、彫刻家への道を歩み始めました。すると瞬く間に地方のコレクターに支持されるようになり、1948年にはジャン・マスレル(フランスのアートコレクター)がウジェーヌを支持し、後にフランス北部ヘムにあるサンテレーズ礼拝堂の建設をに繋げます。これをきっかけに、ウジェーヌの作品は高く評価されるようになりました。
1952年には初の個展を開催し、当時はコンスタンティン・ブランクーシやジャン・アルプを思わせる、木を使って丸みを帯びた作品を手掛けていました。後に彫刻家ジェルメーヌ・リシェとの出逢いによりパリの美術界に紹介され、以来1965年まで毎年サロン・ド・マイへの出品を続けました。それからというもの、次々と大規模な展覧会が開催され、1956年頃から手掛けた石の彫刻や、1963年から制作を始めた表現主義的なブロンズ像など、たくさんの作品が紹介されました。その頃には世界各地の公共施設や美術館、博物館の公園などにウジェーヌの彫刻が置かれるようになっており、1985年にはパリ・ビエンナーレへの参加、1988年にはロダン美術館での展示、2002年のクーベルタン財団での展示などを果たし、それらは20世紀後半の彫刻史におけるウジェーヌの重要性が高まっていることを裏付けています。