エドゥアルド・パオロッツィ
Eduardo Paolozzi
1924年−2005年
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エドゥアルド・パオロッツィは1924年、スコットランド・エディンバラにイタリア移民の長男として生まれたイギリスの美術家、彫刻家です。エディンバラ芸術学校とロンドンのスレイド美術大学で芸術を学び、卒業後はパリに移ります。2年ほどの滞在の中ジョルジュ・ブラック、フェルナン・レジェらを始め多くのキュビストやシュルレアリストたちと交流を持ち影響を受けたことは、後の作品作りに生かされていきます。1949年にロンドンに戻ると、チェルシーにアトリエを構えてキャリアを重ね、1952年にはその後に始まったイギリスとアメリカのポップ・アート運動の先駆けと言われるインディペンデント・グループを立ち上げます。代表作のひとつである1947年のコラージュ作品「私は金持ち男のおなぐさみ」は、ポップ・アートの真の最初の例証だと言われていますが、パオロッツィ自身は「自分の作品は常にシュルレアリスムだ」述べています。
その後は彫刻に取り組むようになり、彫刻家としての知名度が上がっていきます。特に実物そっくりの巨大な彫像の制作で知られ、有名なものにウィリアム・ブレイクの水彩画「ニュートン」をもとに作られた1995年の作品「ニュートン(ニュートン・アフターブレイク)」があります。大英図書館にあるこの作品は肩、肘、膝、足首がボルトで接合された機械のような作りとなっており、これは自然と科学の関係を示していると言われています。パオロッツィはその活躍からCBEやナイト爵を授与され、2005年に亡くなるまで制作活動を続けました。