エルテ
Erté
1892年−1990年
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エルテ(ロマン・ド・ティルトフ)は1892年、サンクトペテルブルクに生まれた20世紀の美術家です。ファッション、ジュエリー、グラフィックアート、舞台美術、インテリア装飾など幅広い分野で活躍したデザイナーとして知られるとともに、アール・デコ運動の創始者のひとりとされ、芸術と文化の相互依存の関係を確固たるものにした人物でもあります。海軍将校になることを望む父の反対を押し切り、パリに移り住んでデザイナーの道を歩んだエルテは、ポール・ポワレの下で数年間働いた後、ハーパーズ・バザー誌と契約し、衣装デザインや舞台美術などの華々しい活動をはじめました。20数年の間に200以上の表紙をデザインし、コスモポリタンやヴォーグなどにもそのイラストが掲載されました。
ファッションデザインの分野では、フランス人ダンサーのギャビー・デリスのアパレルデザインがよく知られています。デリケートな体の線と洗練された魅惑的なデザインが特徴的で、そのアイデアと美術は21世紀のファッションにも影響を与えています。シャープで幾何学的なラインと、ステンシルのような平面的なイメージが特徴のエルテの作品は、古代ギリシャの陶器や江戸時代の木版画をわずかに彷彿とさせ、現代性が歴史の傍らにあるのではなく、歴史の一部であることを明確にしています。作品はメトロポリタン美術館やヴィクトリア&アルバート博物館などで展示されており、日本では東京のミュージアム1999で大規模なコレクションを見る事ができます。
▼公式サイトはこちらから
https://www.erte.us/