オーガスタス・ジョンはウェールズ出身のイギリスで初めてポスト印象派と呼ばれた画家です。肖像画や人物画、風景画などを描きました。

オーガスタス・ジョンはペンブルックシャー州テンビーで4人兄弟の3番目として生まれました。姉は 彫刻家オーギュスト・ロダンのモデルを務め、ロダンとの恋愛事件でも知られる画家のウェン・ジョンです。彼は著名人の肖像画や、ロマニ（ロマ民族／ジプシー）の風景画で有名であり、鮮やかな人物画で同世代の最も優れたアーティストの一人として評価されています。ジョンは 1894年から1899年までロンドンのスレード美術学校で学び、ピーテル・パウル・ルーベンスなどオールド・マスターの影響を受けて油彩画を制作しました。1901年リヴァプール大学で美術講師として教鞭をとっていた時、アイルランドの言語学者・研究者であるジョン・サンプソンにロマニの文化を紹介されました。そしてその後ウェールズやドーセット、アイルランドを旅してロマニの野営地を探した年月が 彼の人生に大きな影響を与えました。
第一次世界大戦中はカナダ政府に雇われてフランスで戦争画家として活躍し、1919年のパリ講和会議では代表者たちの肖像画を描きました。帰国後のジョンはすぐにイギリスを代表する社交界の画家となり、有名な友人たちの肖像画を幅広く描きました。1928年にはロイヤル・アカデミーに選出されました。1942年には芸術への貢献が認められ、メリット勲章を授与されました。1948年から1955年まで、彼は英国王立肖像画家協会の会長を務めました。

オーガスタス・ジョンの作品は 大英博物館、ウェールズ国立博物館、ニュージーランド国立博物館、サンタ・バーバラ美術館、ニューヨーク近代美術館、ミシガン大学美術館、ブルックリン美術館、デトロイト美術館、フィラデルフィア美術館など多くの美術館のパーマネント・コレクションに収蔵されています。