カルロ・スカルパはヴェネツィア生まれのイタリア人建築家です。
ヴェネツィアの芸術学院を卒業し建築学の教授の称号を授かり、建築家フランチェスコ・リナルド(Francesco Rinaldo)の下で学びました。スカルパは建築士資格試験を受けることを拒否していたため、彼と共に仕事をした仲間やクライアント、職人たちからは「アルキテット(建築家)」ではなく「プロフェッソーレ(教授)」と呼ばれていました。1927年よりムラーノガラスの巨匠たちとのコラボレーションをはじめました。1934年ミラノ・トリエンナーレに出展したガラス作品でガラスメーカー:ヴェニーニ(Venini)から名誉称号を授与され、その後1947 年までヴェニーニでアートディレクターを務めました。彼を知る多くの人に、彼は几帳面で大変な読書家だったと言われています。彼の仕事に反映されたその知的側面は世界で高く評価されています。
季節や時の移り変わり、歴史、光、人の動線や視線に対し極めて敏感で審美的な想像力に根差した独自の手法で 素材を活かし、多くの建築の改修や増築、デザインを手掛けました。彼の建築は安藤忠雄やマリオ・ボッタなどの著名な建築家をはじめ 今なお建築やデザイン、アート界で幅広く称賛されています。
そんな彼の手掛けた建造物のうち特に注目すべきものに、ヴェネツィアのオリベッティショールーム、ヴェローナのカステルヴェッキオ美術館、サンヴィートのブリオンの墓と聖域、カノーヴァ美術館などがあります。 日本に大きな関心を抱いていたスカルパは1969年に初めて日本を訪れ、1978年二度目となる訪日中に不慮の事故により亡くなりました。
不要なものをそぎ落とす、あえて未完成のまま残す、水を味方につけることなど 侘び寂びの精神にもとづく特有の美意識を有する日本からスカルパは大きなヒントを得ていたようです。
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