キャロル・ダナム
CARROLL DUNHAM
1949年−
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キャロル・ダナムは1949年、アメリカ・コネティカット州に生まれた画家で、多作の版画家としても知られる人物です。地元コネティカットのトリニティ・カレッジに学び、卒業後の1973年、ニューヨークに移り住んでアーティストとしての活動を開始しました。その非常に個性的なスタイルは、バイオモーフィック(生形態学的)でマンガのキャラクターのような人物を特徴とし、彩度の高い空想的な風景の中でグラフィカルに描かれた性器を持つ鮮やかなヌードへと発展していきました。作中の人物は暴力的であったり、性的なものを連想させたりし、ダナム自身の潜在意識を掘り起こすための習作ともなっています。
抽象、具象、シュルレアリスム、漫画などあらゆる領域に自由に飛び込んでいきながらもそのどれにも定着することはせず、「厳格な不定性」が特徴となっています。生々しい表現で時に「今日活躍している中で最も下品な画家」と評されることもあるダナムですが、そんな事はものともせず、独自のスタイルを貫いて芸術活動を続けています。一方で多くの批評家は、「ダナムはアメリカの画家たちに抽象と具象の融合の可能性を探る機会を与えた人物である」としており、欧米では絶大な人気を誇っています。これまでに回顧展も多数開催し、ホイットニー・ビエンナーレにも複数回の参加を果たしています。またその作品は、MoMAやMoCAなど多くの著名美術館に所蔵されています。
▼公式サイトはこちらから
https://www.carrolldunham.net/