ケヒンデ・ワイリーはアフリカ系アメリカ人の現代画家です。彼は現代のアフリカ系アメリカ人やアフリカン・ディアスポラの男女を描いた 瑞々しく自然主義的な絵画で、古典的肖像画のヒエラルキーや慣習を覆しています。
ワイリーは1977年にアメリカのロサンゼルスで生まれ、1999年にサンフランシスコ・アート・インスティテュートで美術学士号を取得し、2001年にイェール大学美術学部で美術修士号を取得しました。彼の描くモデルたちのほとんどは、西洋の理想的スタイルを基にした普段着を着て、歴史的絵画や彫刻に見られるようなポーズをとって描かれます。「古いもの」を「新しいもの」が受け継ぐという このような並置は、見識が狭いことの多い彼らに、即座に 生理的でありながら知性に訴える話をもたらすのです。ワイリーの具象的な絵画や彫刻は、世界に関する複雑な社会政治的歴史を避けることなく、歴史的資料を引用し、若い黒人男性を権力の場に位置付けます。そんな彼の勇壮な絵は、多くの人々が むしろ黙っていたいと思っている複雑な問題を、ユニークかつ現代的なやり方で呼び覚ましてくれるのです。
2015年にブルックリン美術館で開催された『A New Republic』展をはじめ、ワイリーは数々の展覧会を成功させています。2018年には 同じくアーティストのエイミー・シェラルドと共に、ワシントンD.C.のスミソニアンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで 元大統領バラク・オバマと元ファーストレディのミシェル・オバマの大統領公式肖像画を発表し、2019年には 記念碑的な公共彫刻作品『Rumors of War』がニューヨークのタイムズスクエアで披露され、大きな話題となりました。
2020年2月にはロンドンのウィリアム・モリス・ギャラリーで英国初の機関投資家向け個展『The Yellow Wallpaper』で新作の大規模な女性肖像画6点を展示し、同年7月にはフランス、カンヌのラ・マルメゾン・アートセンターでフランス初の大規模な展覧会を開催しました。また、2020年9月~12月にはイギリスのプリマス市立博物館&美術館で新美術館の立ち上げに合わせ『Kehinde Wiley: Ship of Fools』展を開催しました。
美術史における肖像画の伝統の中で、確固たる地位を築いているワイリーは、現在ニューヨークと北京を拠点に活動しています。
彼の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ブルックリン美術館、デンバー美術館、スミソニアンのナショナル・ポートレート・ギャラリー、ボストン美術館、ユダヤ博物館、ロサンゼルスのハマー美術館、ミネアポリスのウォーカーアートセンターなど 様々な機関にコレクションされています。
▼公式サイトはこちらから
https://kehindewiley.com/