シャンタル・ジョフィ
Chantal Joffe
1969年−
1969年、アメリカ・バーモント州に生まれたシャンタル・ジョフィは、イギリスのグラスゴー美術学校とロイヤル・カレッジ・オブ・アートに学び、現在はロンドンを拠点に活動を続けるイギリス人アーティストです。一貫して人物画、特に女性と子どもを描くジョフィの筆致は、人目を引くほどカジュアルでざっくりとしていますが、実は非常に的確で繊細に描かれ、どことなくエリザベス・ペイトンやマルレーネ・デュマスを彷彿とさせる魅力に溢れています。中でも裸の女性を描く時には、その中に絶妙なバランスでセクシュアリティを覗かせ、抜群の色彩感覚で女性像に揺るぎない力と複雑さをもたらします。また、娘のEsmeとジョフィを描いた作品も多く、それを観る女性たちはどことなく自身と重ねて見入っているうちに、いつの間にかその絵の世界に引き込まれてしまっているような不思議な力を秘めています。
家族写真やファッション雑誌、ポルノグラフィーからヒントを得、抜群の色彩感覚とオリジナリティあふれる描き方で女性像に揺るぎない力と複雑さをもたらすジョフィの作品は、欧米を中心に国際的に多くの展覧会で紹介されています。2006年にはロイヤルアカデミーの夏の展覧会で、1,305点の応募作品の中からジョフィの「Blonde Girl, Black Dress」が満場一致で最優秀作品賞に選ばれ、同年Latest Art誌の「史上最も重要な女性アーティスト30人」にも選出されました。