ジョイス・ペンサート
Joyce Pensato
1941年―2019年
ジョイス・ペンサートは バットマンやミッキーマウス、ホーマー・シンプソンなど馴染み深いアメリカンアニメのキャラクターを大スケールで描いた作品で知られるアメリカのアーティストです。キャラクターたちは、ペンサートのアクション・ペインティングともとれる素早く大胆な筆さばきにより奇妙な変身を遂げ、その作品はポップアートの抽象表現化をも思わせます。ドローイング作品では、すでにある筆跡を抹消することで再生産を試みたロバート・ラウシェンバーグの作品との関連性も滲ませています。様々な技法によって描かれた作品は、多くの人に親しまれてきたポップ・アイコンの奥行きを深め、アメリカの大衆文化に対する認識とあり方について疑問を投げかけているようにも感じられます。
1941年にニューヨークのブルックリンに生まれたペンサートは、ニューヨーク・スタジオ・スクールでジョアン・ミッチェルに師事し、フランツ・クラインやフィリップ・ガストンの作品に影響を受けました。彼女は50歳を超えた1990年代初頭にようやく円熟し、2007年に開催した初の個展で成功を収めました。2019年には日本初の個展を開催しましたが、残念ながらその数ヶ月後に亡くなりました。
現在ペンサートの作品はパリのポンピドゥー・センター、ニューヨーク近代美術館、ロサンゼルスのハマー美術館などにコレクションされています。