ジョナサン・デュ・パ、ドナト・ドゥルビーノ、パオロ・ロマッツィの三人のコラボレーションは1966年から始まりました。
彼らは60年代から70年代にかけ、工業的に進歩した素材と技術を用いて家具や建築物などを作ることに関心を持ちました。彼らは大阪万国博覧会のイタリア館、ミラノの第14回トリエンナーレ、ユーロドムス(Eurodomus)などの展覧会のため、一連の空気圧構造のデザインを考案・制作し、1967年には空気で膨らませるビニール製のアームチェア「BLOW」を設計しました。以来、産業用・住宅用の建物を計画・建設し、住宅や事務機器、照明、電子機器、浴室設備などの工業製品の多様な分野に焦点を当て、活躍しました。
彼らのデザインは イタリアを代表するデザイン・プロダクト・ブランドAlessi(アレッシィ)やTonelli design(トネリデザイン)、インテリアブランドZanotta(ザノッタ)、家具メーカーBONALDO(ボナルド)や日本のコイズミ、スペインのSanta & Cole(サンタアンドコール)、フランスのインテリアブランドRoset(リーン・ロゼ)など名だたる企業により作り出されました。1970年以降、彼らはトリエンナーレやユーロドムス、ニューヨーク近代美術館の『Italy: The New Domestic Landscape』展 、スロベニア・リュブリャナのBio(建築&デザイン博物館主催のデザインビエンナーレ)、コンパッソ・ドーロ(Compasso d’Oro)、ADI (イタリア工業デザイン協会)の巡回展など 多くの展覧会に参加しています。
また、エルサレム博物館の儀式用ランプ、パリのSAD展(1985年/1987年)、第17回トリエンナーレの国連ブース(1988年)、ケルン市立美術館で開催された「Italianische Mobel Design 1950/80」(1982年)、ICEの発注によるシアル・パリ(SIAL:世界最大級の食品・飲料見本市)(1992年)のための建具など、様々な一流機関のために、インテリアやオブジェのデザインを手掛けました。
そして1977年にはスロベニア、リュブリャナのBio(デザインビエンナーレ)7、 1981年のBio 9、1979年のコンパッソ・ドーロ、1998年ハノーファーのデザインアワード、2009年ウォールペーパーデザイン賞”Best Domestic Design “など多くの賞を受賞し、高い評価を得ています。また彼らは、デザインだけでなくインダストリアルデザイン協会(ADI)やミラノ工科大学、IUAV(ヴェネツィア建築芸術大学)などで理論的研究も行っていました。
彼らの手掛けた作品はイタリアデザインの歴史的文献や、建築やデザインに関する国際的な出版物に記録されており、彼らの作品を記録したアーカイブは文化財・文化活動省により特に歴史的重要性があるものとして認定されました。そしてそのアーカイブは2010年にミラノのCASVA (Centro di Alti Studi sulle Arti Visive)に寄贈され、保存され参照出来るようになりました。
ジョナサン・デュ・パは1991年に亡くなりました。ドゥルビーノとロマッツィは2017年まで共に活動を続け、現在ではそれぞれ独立して活動しています。
現在彼らの作品はニューヨーク近代美術館、ブルックリン美術館、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館、ロンドンデザイン美術館、イスラエルのエルサレム美術館、ドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアム、パリのポンピドゥー・センター、ミラノ・トリエンナーレなどのコレクションに収蔵されています。