ジョージ・コンド
George Condo
1957年−
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ジョージ・コンドは1957年ニュー・ハンプシャー生まれ。現在はニューヨークを拠点に活動する画家・彫刻家です。1980年代のアメリカ経済危機の最中、ニューヨークではストリートアートやニューペインティングの動きが活発化する一方、コンドは「古典伝統絵画贋作」を自ら唱え、レンブラントやピカソ、アメリカのカートゥーンまでを範囲とし、独自な絵画作品を制作し続けています。デフォルメされたグロテスクなポートレート作品がコンドのトレードマークとも言えるスタイルです。
ニューヨークのアンディ・ウォーホルのファクトリーで働いていたこともあり、キース・ヘリングやバスキアらとも親しかったというコンドは、アメリカのポップ・アートの影響を受けつつも、他の作家とは少し違ったコンテクストを含んだ絵画を展開しています。その筆力とデッサン力の素晴らしさ、具象と抽象の際感、200年後の美術館に残る「今出来の現代美術作品」が持つべき「新しい普遍性」とコミック的要素などの「今風」を持ちつつも、どこか古典を思わせる「自作への歴史の投入感」をも兼ね備えています。