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ARTIST/ART

デイヴィッド・ナッシュ
David Nash
1945年−

デイヴィッド・ナッシュは1945年、イギリスに生まれた彫刻家です。「自然と対話する彫刻家」と呼ばれ、災害などで倒れた木や立ち枯れた木、あるいは間伐のために切り倒された木など、制作のために新たに切り倒した木ではなく、理由があって切り倒されたり倒れてしまったりした木を素材に、チェーンソーや斧、ガスバーナーを用いて、素材にあまり手を加えず木の枝や幹を生かした作品を多く制作しています。彫刻のほかランドアートや、風景に溶け込む彫刻も制作しています。

代表作である「トネリコのドーム」は、生きた樹による彫刻作品で、22本のトネリコの木を円形に植え、接ぎ木やフレッチングと呼ばれる伝統的な技法によって枝振りを変えることで、ドーム型の空間が形成されるというものです。また1978年に開始した「ウーダン・ボールダー(木製の球体)」は、「放し飼いの彫刻」と呼ばれ、ウエールズの山腹から木製の大きな球体を転がし、大西洋へと冒険させるという作品です。その球体は途中行方不明になりながらも旅を続け、2013年にはウェールズのドゥイリドに落ち着いていましたが、2015年の大雨で再び行方知れずになっています。球体は「もし僕をスタジオに連れ帰ったとしたら干上がってヒビ割れてしまう。そしたら旅の終わりってわけさ。」とナッシュに語りかけているといい、誰の目にも触れないところで未だ旅を続けているようです。

 

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