ニック・ウォーカーは1969年、イギリスのブリストルに生まれたストリートアーティストです。1980年代にアーティスト３D（ロバート・デル・ナジャ）に影響を受け、フリーハンドのグラフィティアートにステンシルのスタイルを取り入れて、ともにそのムーブメントを作り出したパイオニア的存在と評されています。ブリストルで始まったムーブメントはバンクシーなどにも多大な影響を与え、その手法は現在ではとてもポピュラーになっています。

作品にたびたび登場するのは、「VANDAL」という名のジェントルマン。山高帽にストライプのスーツをまとい、街中を舞台に様々なメッセージやイメージを残していきます。中でも「The Morning After」シリーズは、Vandalがパリ、ニューヨーク、香港、シドニーなど世界の大都市を訪れるシリーズで、カラフルでポップなイメージが特徴的な作品は、ファンの間で根強い人気を誇っています。作中の街並みは非常に細かなステンシルで描かれており、そのクオリティと大胆な色使いはウォーカー作品の真骨頂とも言えるでしょう。そんな彼の作品はたびたび高値をつけ、オークション市場も賑わせています。また日本では滋賀県彦根市に数点のミューラルを残しています。