フィッシュリ&ヴァイス(ペーター・フィッシュリ & ダヴィッド・ヴァイス)
Peter Fischli & David Weiss
ペーター・フィッシュリ:1952年−/ダヴィッド・ヴァイス:1946年−2012年
フィッシュリ&ヴァイスはともにチューリッヒ出身で、1952年生まれのペーター・フィッシュリと、1946年生まれのダヴィッド・ヴァイスによるユニットです。その活動は1979年に始まり、2012年にダヴィッドが亡くなるまでの33年間に渡って続きました。二人の作品は写真、立体、映像など様々なメディアを柔軟に操って、日常の身近な光景や事物に真摯な眼差しを向け、綿密な計画と偶然性によって意味のずれや解釈の多様さを提示し、皮肉とユーモアを織り交ぜながら人間社会の本質を浮き彫りにしています。また生活と芸術、現実と虚構、自然と人工、混沌と秩序の境を曖昧にしていくといった抽象性の高いテーマを扱いながら、完結かつシンプルで、独自の美学に貫かれた作品からは、思考性の高さと眼差しの鋭さがうかがい知れます。
代表作のひとつである「The Way Things Go」は、およそ起こりそうにもないルーブ・ゴールドバーグ・マシン風の一連の出来事が、スタジオ内に設置された日用品やがらくたを巻き込んで繰り広げられるという、おなじみの「ピタゴラスイッチ」にも似たユニークなものです。2003年にはベネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞し、2011年には日本で初個展を開催した彼らの作品は、世界中の主要美術館に所蔵されています。