フェアフィールド・ポーター
Fairfield Porter
1907年−1975年
フェアフィールド・ポーターは1907年、アメリカ・イリノイ州に生まれた画家・美術評論家です。建築家の父と詩人の母のもと芸術を重んじる家庭に育ち、幼い頃から家族でヨーロッパを旅しレオナルド・ダ・ヴィンチやティツィアーノ・ヴェチェッリオらの絵画に感銘を受けました。ハーバード大学で芸術を学び、卒業後移り住んだニューヨークでもアート・スチューデンツ・リーグで学び続け、芸術家の傍ら美術評論家としても活動を始めます。
ポーターの作品は風景画、友人や家族の肖像画、身の回りの環境などを主題に、そのほとんどがメイン州にある夏期の別荘やニューヨーク州サウサンプトンの実家を舞台に描かれています。抽象表現主義の全盛期に奮闘した第二次世界大戦後の具象画家たちの先頭に立ち、写実主義でありながら友人のウィレム・デ・クーニングの抽象的な作品を称賛、支持するばかりでなく、自然界に見られる本質的な抽象性にも惹かれていました。平面的で不定形なソフトエッジのフォルムを特徴とするポーターの作品は、豊かな筆致とパターン化された配置によって三次元の空間を表現しています。その多くは主にアメリカ国内各所の美術館に収蔵されています。