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ARTIST/ART

ヘンリー・ムーア
Henry Moore
1898年-1986年

ヘンリー・ムーアは世界的成功をおさめた20世紀の最も重要な英国の彫刻家です。おおらかで有機的な曲線を持つ半抽象の記念碑的で大規模な彫刻作品で知られています。

ムーアはイギリス、ヨークシャーの小さな炭鉱町カッスルフォードで生まれました。日曜学校でミケランジェロの偉大な業績を耳にし彫刻家になることを決心しました。この時ムーアは11歳でした。
しかし両親はムーアが彫刻家になることに反対し一度は学校教師になります。その後18歳でイギリス陸軍に志願、第一次世界大戦1917年カンブレの戦いで負傷しましたが、第一次世界大戦後 元軍人の助成金により1919年リーズ美術学校の学生となり、1921年にはロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学ぶための奨学金を獲得しました。ムーアはロンドンでプリミティヴィスムや彫刻を学び民族誌も研究しました。そして1924年から半年間、ミケランジェロやジョット・ディ・ボンドーネ、ジョヴァンニ・ピサーノなどのオールド・マスターたちの偉大な作品を研究するため奨学金を得て北イタリアに滞在しました。この間に訪れたパリのトロカデロで見たトルテック・マヤの石像、とくにチャクモールの石膏模型がムーアに大きな影響を与え、その後『横たわる像』は彼にとって主要なモチーフとなったのです。

1948年ムーアはヴェネチア・ビエンナーレで国際彫刻賞を受賞、世界的に認知されていきました。アート市場においても彼は生涯、現存する最も成功したアーティストでした。
亡くなる4年前の1982年ニューヨーク、サザビーズで6フィート(約183㎝)の『横たわる人物(1945)』が120万ドルで販売され、1990年には最初の記録である410万ドルが記録されました。その後の不況でムーアの市場は低迷しましたが、2012年には8フィート(約244㎝)のブロンズ像『横たわる人物;フェスティバル(1951)』がクリスティーズで記録的な1910万ポンドで販売され、フランシス・ベーコンに次いで2番目に高価な20世紀のイギリス人アーティストとなりました。

彫刻家として成功を収め大きな富を得たムーアですが、成功したのちも質素な生活ぶりを変えることなく その財産のほとんどは作品の保存や後世の芸術教育のためヘンリー・ムーア財団へ引き継がれました。2017年2月にはファッションブランドのバーバリー(BURBERRY)で、ムーア作品から着想を得たコレクションが発表されるなど、現在でも多くのデザイナーやアーティスト達に影響を与えています。パリのユネスコやロンドン議会広場をはじめムーアの作品はパブリック・アートとして世界中に設置されており、日本でもMOA美術館や箱根彫刻の森美術館、博多駅前、大阪御堂筋など全国13か所で見ることができます。

▼ヘンリー・ムーア財団のサイトはこちらから
https://www.henry-moore.org/

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