ホルスト・ヤンセン
Horst Janssen
1929年−1995年
ホルスト・ヤンセンは1929年、ドイツ・ハンブルクに生まれた画家です。子供の頃から並外れたデッサンの才能をみせ、最年少の16歳でハンブルク美術学校に入学。アルフレッド・マウラーの元で美術を、1年先輩のパウル・ヴンダーリッヒからは版画を学び、その傑出した才能から「デューラーの再来」とも評されました。1965年にケストナー協会で開催された回顧展を機に、ヤンセンの名はドイツ中に知れ渡ることになり、3年後のヴェネチツィア・ヴィエンナーレで版画大賞を受賞します。その頃から1990年代初頭にかけ日本でも3回にわたり巡回展が開かれ、評価と知名度はさらに高まり、近年でも根強い人気を誇っています。
20世紀後半のドイツ美術は、第二次大戦の敗北後の空白期を経てアメリカ現代美術の隆盛に刺激を受け、特異な芸術家が脚光を浴びるようになりました。新表現主義の国際的な潮流の下、ドイツ美術会は再び世界文化の一翼を担うことになりますが、一方で国際的な流行から距離を保ち、ロマン主義の流れを汲むドイツ的感性を受け継いで行ったのがヤンセンでした。暗い画面にデフォルメされた自画像、人体、静物、景色を緻密に描き、諧謔的でエロティックな表現が特徴的な作品は、葛飾北斎など日本の浮世絵画家にも強い影響を受け、ヤンセンは北斎にならい自らを「画狂人」と称していました。
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