ポール・デルヴォー
Paul Delvaux
1897年−1994年
ポール・デルヴォーは1897年、ベルギーに生まれた画家です。ブリュッセルの美術アカデミーに学び、初期は新印象派と表現派の様式で描いていましたが、後にジョルジュ・デ・キリコやルネ・マグリットに影響を受け、シュルレアリスムに傾倒していきます。作品のモチーフは裸の女たち、骸骨、駅、科学者、神殿など彼の執着したものが多く、その背景には石畳の道や線路などが透視図法を用いて幻想的に描かれています。
作中に描かれる女は、母親によって強引に引き離された最愛のタムであり、デルヴォーは母親の呪縛に苦しみながらタムの亡霊をひたすら描き続けました。1950年代になると脇役として描かれていた骸骨がモチーフの主役となりました。デルヴォーにとって骸骨は「自身の過去」であり、それを描くことで両親や過去から決別しようとする思いがあったようです。晩年になるとモチーフはそのままに、シュルレアリスムから生じる不調和を排除した神秘的な雰囲気をたたえた絵を描くようになりました。
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http://www.delvauxmuseum.be/v2/