マシュー・バーニーは非常に影響力があり人気の高いアメリカの現代アーティストです。彼は長編映画、ビデオインスタレーション、彫刻、写真、ドローイングなど マルチメディアアートの実践における物理的な限界の超越を探求しています。
1994年から2002年に渡って制作された彼の最も有名で壮大なプロジェクト『The Cremaster Cycle』は 創造、性分化、心理的アイデンティティ、神話 を探求する5作の長編映画シリーズです。バーニーの長年のコラボレーターである作曲家のジョナサン・ベプラーと作成したCremasterは、その高いプロダクション・バリューと奇妙でシュールなイメージが特徴です。シリーズの完成を機にグッゲンハイム美術館が『Matthew Barney: The Cremaster Cycle』と題した国際巡回展を企画し、2002年6月にケルンのルートヴィヒ美術館で初演され その後世界を回りました。イギリスのガーディアン紙(The Guardian)の美術評論家ジョナサン・ジョーンズは『The Cremaster Cycle』について「前衛映画の歴史の中で 最も想像力に富んだ素晴らしい業績の一つ」と述べています。
2005年作『Drawing Restraint』シリーズは日本の金沢21世紀美術館で「マシュー・バーニー:拘束のドローイング」展として 世界に先駆けて発表され、この作品では彼の元パートナーであるミュージシャンのビョークが音楽を手掛けバーニーと共演し話題となりました。
マシュー・バーニーは1967年サンフランシスコで生まれ、アイダホ州のボイシで育ちました。バーニーはサッカーの奨学金を取得し、イェール大学に通いました。医学部に入学しましたが、後に美術学部に転部し1989年に学士号を取得した後ニューヨークに移住し 現在もニューヨークを拠点に活動しています。
彼は初期の形成的経験のうち、
『スポーツに関わったとき、すべてが変わった』と語りました。
『なぜなら それは世界中に枠組みがあり、その世界には暴力、勝利、喪失などのすべてがあるという状況だからです。
枠組みの中ではどんなことでも起こり得ます、怖いのは枠組みの外側にあるもの。 つまりこれが、非常によく似た美的秩序
の始まりでした。』
現在バーニーの作品は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、ミネアポリスのウォーカー・アート・センター、シカゴ美術館、ロンドンのテートギャラリー、サンフランシスコ近代美術館などのコレクションに収蔵されています。
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http://matthewbarney.net/