マシュー・リッチーは1964年、イギリス・ロンドン郊外に生まれたアーティストです。キャンバーウェル美術学校に学び、1987年ニューヨークに移住。1990年初頭より科学、社会学、人類学、神話、美術史などの用語を用いたインスタレーションやペインティングに至るまで、まるで百科事典のようなプロジェクトを展開してきました。また、版画、ドローイング、インスタレーション、彫刻、ウェブサイト、短編小説など、実に様々なメディアを用い、システムやアイデアの生成、そしてそれらの解釈を脳の網目のように描き、情報や時間に関するはかなく無形の理論を、人間の痕跡を強調したユニークで認識可能なジェスチャーという形で具体化しています。

近年は15年以上にわたって関わっているパブリックアートの分野で活躍しており、アメリカ・オレゴン州の連邦裁判所や、ヨーロッパの複数の都市を巡回した移動式モジュール建築とサウンドシステムなど、現場の情報コンテンツを作品の形に組み込むプロジェクトに注力しています。これまでにバロワーズバロワーズ美術賞やIDデザイン賞の受賞歴があるほか、ホイットニー・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレへも出展し、現在リッチーの作品はグッゲンハイム美術館やサンフランシスコ近代美術館をはじめ、世界中の数多くの美術館に収蔵されています。

 

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