マルクス・ウールンはドイツ・クレーフェルト生まれのアーティストです。ドイツの新表現主義運動ユンゲ・ヴィルデの創設メンバーの一人として知られ、40年に及ぶキャリアは 絵画や彫刻、デジタル・ドローイングや音楽など多岐にわたります。
ウールンは1976年から1982年までデュッセルドルフ美術アカデミーで学びました。70年代から80年代にかけて、弟のアルベルト・ウールン、マルティン・キッペンベルガー、アンドレ・ブッツァーらと共にユンゲ・ヴィルデを結成し、ミニマリズムが提唱する表面の純粋性に反し、野獣派のようなキャンバスの内外を問わずカウンターカルチャーの混沌を想起させる作品を制作しました。またウールンはMittagspauseをはじめとするいくつかのパンクバンドでも活動していました。
ウールンの作品は ポップでシュールな要素を組み合わせ、鮮やかなパレットで自由で定まらない形が描かれ、無秩序でさえあります。またオプ・アートに触発された彼の作品は、安定したグリッドの使用や 穏やかな色彩と3D効果の使用により 光や奥行、リズムを生み出しています。近年の作品では、コラージュされた写真やiPadで作成されたデジタル・ドローイングが散りばめられています。彼はキャリアを重ねるにつれ 芸術の本質を探り、さまざまなメディアの存在論的な性質や、それがどのように伝達されるかについて取り組んでいます。
ウールンはハンブルグのクンストラーハウス、ニューヨーク近代美術館、マドリッドのメネンデス・ペラヨ国際大学、ケムニッツのサンタンデール美術館などで個展を開催し、ベルリン国立美術館、カールスルーエ・アート・アンド・メディア・センターなど様々な美術館でグループ展を行っています。
ウールンは現在ミュンヘンを拠点に活動しています。