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ARTIST/ART

マーク・ロスコ
Mark Rothko
1903年−1970年

マーク・ロスコは1903年、ロシア・ドヴィンスク(現ラトビア共和国)で生まれた画家です。抽象表現主義の中でも指導者的な存在として知られ、ウィレム・デ・クーニングやジャクソン・ポロックとともに、戦後アメリカの美術家のなかで最も有名なひとりとされています。1925年、ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグで画家マックス・ウェーバーに学び、初期の頃はパウル・クレーやジョルジュ・ルオーらの影響を受けてドイツ表現主義の風景画や人物画を描いていました。1930年代初頭にミルトン・エイブリーと出会い、プロの芸術家としての人生のひらめきを与えられたと同時に、その形態と色に関する豊かな知識を用いた自然画に大きく影響され、作品にエイブリーとよく似た色彩や主題が現れるようになりました。その後シュルレアリスムと抽象芸術を融合させた作風を経て、1940年代後半には複数の色面が広がる抽象画を描くようになり、程なく縦長キャンバスに柔らかな形が複数浮かび上がる「ロスコ・スタイル」を確立させました。

代表作のひとつである「シーグラム壁画シリーズ」は、マンハッタンのシーグラム・ビル内のレストランから依頼を受け制作された30点あまりの作品ですが、実際にレストランに足を運んだロスコがその雰囲気に幻滅し契約を破棄してしまったため、永遠に飾られることはありませんでした。行き場をなくした作品のうち9点はテート・モダンに寄贈され、1990年には7点が千葉県にあるDIC川村記念美術館に所蔵されることになりました。この2つの美術館ではそれぞれシーグラム壁画のために一室を設け、常時公開しています。

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