モーリス・ドニ
Maurice Denis
1870年−1943年
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モーリス・ドニは1870年にフランス・ノルマンディ地方で生まれた画家・著述家です。エコール・デ・ボザールとアカデミー・ジュリアンに学び、ナビ派を結成すると最年少ながら画家として確固たる地位を確立します。日常に典拠を得た親密的で柔和な作品のほか、信仰心と精神性を感じさせる宗教画や神話画、挿絵、壁画装飾など様々な作品を手がけ、印象派から近代美術への移行期に重要な役割を果たしました。
また理論家としても名高く、ドニは最も早く絵画の平面性に注目した画家のひとりとされ、1890年には雑誌「Art et Critique」に「新古典主義の定義」という論文を寄稿しています。「絵画が軍馬や裸婦、或いは何かの逸話である以前に、本質的には一定の秩序の上に集められた色彩で覆われる平面であることをまずは認識すべきである。」という有名な言葉を残したこの論文は、モダニズムの出発点であると認識され、ボール・セザンヌ以降の近代絵画の定義や理論考察に多大な影響を与えています。
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http://www.musee-mauricedenis.fr/