ヤコブ・アガム(本名:Yaacov Gipsteinヤーコブ・ギプステイン)はオプ・アートやキネティック・アートへの貢献で知られるアーティストです。
アガムはパレスチナ(現イスラエル)リション・レジオンに生まれました。エルサレムのベツァルエル美術デザイン学院で学び、その後チューリッヒやパリでモルデカイ・アードンやヨハネス・イッテンなど著名なアーティストの下で学びました。
アガムの作品は主に運動学、動き、視聴者の参加、光や音を用いた抽象的な作品であり その芸術的な信条を形作った根底には、彼の精神的なルーツ、ラビでありカバリストであった父親の教え、ユダヤ教や自然に対する彼なりの理解があると言えます。故郷リション・レジオンの砂丘も、彼の作品に見られる 風に吹かれ絶えず変化するイメージのインスピレーションの源となっています。
アガムは、見る角度によって違ったイメージを見せるレンチキュラーレンズを使った「アガモグラフ(Agamograph)」という印刷技法を考案したことでも知られています。1953年パリのGalerie Gravenでのアガムの画期的な初個展は、ダイナミックで予期せぬ実在の本質を表し 観るものの積極的な参加を可能にしたアートや、動き、変化する絵画を紹介し キネティック・ムーヴメントの始まりとなりました。
1950年代から現在まで アガムの作品は著名なコレクターに蒐集され、ニューヨーク近代美術館(MOMA)やグッゲンハイム、パリのポンピドゥーセンターなど世界の重要な美術館、パリのエリゼ宮殿やホワイトハウスなど数多くの有名な会場で展示され、世界各地でパブリック・アートとして設置されています。1996年子供のための視覚教育「アガム・メソッド(Agam Method)」で、アガムはユネスコからヨハネス・アモス・コメニウス メダル(Jan Amos Comenius)を授与されました。2018年には故郷イスラエルのリション・レジオンに、3200平米のヤコブ・アガム美術館がオープンしました。
▼ヤコブ・アガム美術館公式サイトはこちらから
https://en.yama.co.il/