レイモンド・ペティボン(本名:レイモンド・ジンRaymond Ginn)はアリゾナ州ツーソン生まれのアメリカ人アーティストです。
“ペティボン”というアーティスト名は 幼い頃に父親につけられたニックネーム“petit bon=little good”に由来しています。1980年代初頭、兄のクレッグ・ジンとチャット・ドゥコウスキーによるパンク・バンド「BLACK FLAG」のフライヤーやアルバムカバーなどを手掛け、その後ソニックユースのカヴァーにも起用されるなどしてLAパンクロックシーンで有名になりました。
彼は主にコミック風のイラストに、曖昧なテキストを組み合わせたアイロニックなドローイング作品で知られています。彼の独創的な物語では、音楽やサーフカルチャー、コミックなどのポップカルチャーと 歴史的、政治的なコンテンツが同次元で出現し現代社会への鋭い批評を生み出しています。アートを独学で学んだペティボンですが、ウィリアム・ブレイクやエドワード・ホッパー、フランシスコ・デ・ゴヤやジョン・スローンなどからは特に影響を受けたようです。このほか彼のインスピレーションの源はコミックやテレビ番組、雑誌やB級映画、ポップカルチャーのアイコン、そしてあらゆるジャンルの文学作品など多岐にわたります。
「私は 誤魔化さず、意識せず、言い訳をせず、出来るだけ自分の作品を透明にしていました」
「アートの世界にはたくさんの因習がありますが、私のやり方は それらに従いません」自身の制作について彼はこう語りました。
ペティボンはドローイング作品のほか、長編フィルム制作や音楽活動、様々なアーティストとのコラボレーションなど幅広く活躍し、世代を問わず支持され 世界に刺激を与え続けています。近年ではファッションブランド“Dior (ディオール)”とコラボレーションしたウィンター2019-2020ショーが発表され話題となりました。ペティボンは現在ニューヨークを拠点に活躍しています。彼の作品はパリのポンピドゥーセンター、ニューヨークの近代美術館、ロンドンのテートギャラリーなどにコレクション収蔵されています。
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http://www.raypettibon.com/