南桂子
Keiko Minami
1911年−2004年
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南桂子は、1911年に富山県に生まれた、戦後日本を代表する銅版画家です。高等女学校在学中に絵画や童話の創作に励んでいましたが、戦後、版画家の浜口陽三との出会いにより版画に目覚め、40歳を過ぎてから版画の道へと歩みを進めました。1953年、夫とともに渡仏すると版画家フリードランデルの版画研究所で本格的に銅版画を学び、以降版画の制作活動の場を国際的に広げました。
少女や鳥、樹木などをモチーフに、無数の繊細な線を銅版に彫ることで作り上げる作品は「銅版詩」とも称され、メルヘン的な趣の作風が世界中で高く評価されています。1957年には「羊飼いの少女」がMoMAのクリスマスカードに、1958年には「平和の木」がユニセフのグリーティングカードに採用され、また1982年には帝国ホテルの全客室に南桂子の作品が飾られました。