ジョウ・チュンヤは『Green Dog（緑の犬）』シリーズで最もよく知られる中国人アーティストです。幅広い作品群の中で 様々なポーズや環境で描かれる緑色のジャーマンシェパードを描いています。これらの作品はメタファー的な自画像として解釈されるだけでなく、このシリーズを始める直前に彼が亡くした飼い犬に対する愛の転写でもあります。彼の他の代表的な作品には『桃の花』シリーズや『岩』シリーズなどがあります。

ジョウは1955年中国の重慶市に生まれました。創作の自由を許されなかった苦い文化大革命を経験した後、1982年に四川美術学院で学び、1988年にはドイツのカッセル美術学院でMFAを取得しました。80年代のドイツで最も盛んだった新表現主義に触発され、そこに絵画の希望を見出したジョウは 西洋的絵画技法と中国の伝統的カリグラフィー（書）の技術を並行して作品に取り入れるようになりました。2010年彼は上海美術館で回顧展を開催し、同年アートパワーアワードでアーティストオブザイヤーを受賞しました。2013年には南京市の南京芸術学院美術館にて新作『豫園（よえん）』シリーズが公開されました。

彼は制作活動のほか『五彩基金』という活動も行っています。この活動では2008年に起きた四川巨大地震をはじめとした災害による被害で 手足を失うなど障害を持った多くの子供たちに、絵を描くことを教え、自分の力でデザインし創作することを学ぶ機会を与えています。

現在彼の作品はオールショーアートセンターや北京のTang Contemporary Art Center（当代唐人艺术中心）などのコレクションに含まれています。彼は中国の成都市と上海市を拠点に活躍しています。

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