張曉剛(ジャン・シャオガン)
Zhang Xiaogang
1958年−
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ジャン・シャオガンは1958年、中国の雲南省に生まれた現代美術家です。1982年に四川美術アカデミーを卒業し、ニューウェーブ運動に参加。アーティスト仲間とアートグループを結成すると、この頃から動きが高まったアヴァンギャルド・チャイナを牽引します。文化大革命や天安門事件など歴史的混乱の中に生き、社会主義から資本主義へと急速に移り変わる世の中で個人的に経験してきた混乱を描く中、実家で偶然見つけた古い家族写真に強いインスピレーションを受けたシャオガンは、文化大革命を描くことで個人と大衆の間に生じる矛盾を説明できることに気づき、代表作となる「血縁」シリーズの制作を始めます。国家を巨大な家族のようなものと捉え、ノスタルジックな家族の肖像に文化大革命の闇のイメージを重ねて、複雑に絡み合った個人と集団の歴史を表現しています。
1994年に香港で開催されたオークションでは、血縁シリーズが中国画家市場最高額の12億円あまりで落札され、その名声は決定的なものとなります。1995年にはヴェネツィア・ビエンナーレにも出展し、その後も世界各地の現代美術展で、中国の現代絵画表現の重要な作家として活躍を続けています。