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ARTIST/ART

曾廣智 (ツェン・クワン・チー)
Tseng Kwong Chi
1950年―1990年

ツェン・クワン・チーは 写真シリーズ『East Meets West』、別名『Expeditionary Self-Portrait』シリーズで知られる写真家・パフォーマーです。ツェンは香港に生まれ、10歳の時に中国の絵画教室に通い始め、神童と呼ばれました。1966年に一家でカナダのバンクーバーに移住し、その後パリのアカデミー・ジュリアンで絵画と写真を学びました。

「私の写真は 西洋社会と、東洋との関係についての社会調査であり、社会的コメントでもあります。
    私は中国人観光客として、ヨーロッパやアメリカなどのモニュメントの前でポーズをとっています。」

1979年ツェンはマサチューセッツ州プロビンスタウンで面白い海辺の家に遭遇し、たまたま持っていた中国の人民服を着てセルフポートレートを撮りました。これが『East Meets West』シリーズの始まりでした。これを機に、彼はアメリカ人が自分の国で何を崇拝しているのかを知りたいと思い、アメリカ人が好きな典型的な場所の軌跡を辿る旅をしました。このシリーズの挑発的なイメージの中で、ツェンは常にステレオタイプな中国の人民服を着てミラーサングラスをかけ “SlutforArt”と書かれた名札を付け、象徴的な建築物や崇高な自然の前で 自ら考案した登場人物 “Ambiguous Ambassador(アンビシャス・アンバサダー) “としてポーズをとっています。アンセル・アダムスとシンディ・シャーマンを掛け合わせたような彼の作品は、真実、フィクション、アイデンティティーを戯れに並置した観光写真を探求する一方で、ランドマークや自然の壮大さと神秘性に敬意を表しています。
またツェンはニューヨークで、キース・ヘリングやジョン・セックス、ケニー・シャーフ、ビル・T・ジョーンズなど、ダウンタウン・シーンの有名人たちと親交を深めました。1980年代を通してキース・ヘリングがゲリラ的に描いたサブウェイ・ドローイングを含むグラフィティや 政治的活動、仲間とのコラボレーションなどを数多く撮影し、世界最大のキース・ヘリングの写真アーカイブを生み出しました。

「私は好奇心旺盛な旅人であり、時代の目撃者であり、アンビシャス・アンバサダーなのです。」

ツェンは1990年にエイズウイルスによる合併症で39歳の若さで亡くなりました。

現在彼の写真は 多くの国際的展覧会で広く紹介されており、世界中の主要な美術館や個人コレクションに数多く収蔵されています。

▼公式サイトはこちらから
http://www.tsengkwongchi.com/

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