葛飾北斎
Hokusai Katsushika
1760年−1849年
「世界一有名で謎に満ちた日本人」と言われる葛飾北斎は、1760年に東京都墨田区に生まれた画家であり、日本を代表する浮世絵師です。90歳という当時稀にみる長寿を絵筆とともに全うし、約70年間の画業で現存するだけでも3万点を超える作品を残しています。浮世絵では風景画や春画、奇想画、さらには肉筆画と多岐にわたる絵を描いており、一見するとひとりの絵師が描いたものとは思えないほど画風の違いがみられます。浮世絵だけでなく様々な種類の絵画を学び、旺盛な好奇心から経験したことの積み重ねが、この多彩な画風を生んだと言われています。また西洋の遠近法を研究するなど常に新しい手法を追求し続け、限られた紙幅にとらわれない画面構成に挑戦したり、晩年には銅版画やガラス絵も研究したりするなど、模索と試作を止めることなく生涯を描くことに注ぎ込みました。その様子は自らつけた雅号「画狂老人卍」に込められています。
代表作である『冨嶽三十六景』や『北斎漫画』を代表とする浮世絵は、遙か海を超え、ゴッホやモネ、ゴーギャンら絵画の巨匠たちを驚かせ、19世紀に欧米を席巻したジャポニスムに与えた影響は多大なものでした。その功績は北斎の没後150年以上を経てもなお評価は高く、1998年にはアメリカの『LIFE』誌が企画した「この1000年に最も偉大な業績を残した世界の100人」に、日本人で唯一選出されており、日本よりもむしろ世界で高い評価を得ています。
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