関根伸夫は彫刻やミクストメディアによる壁画で知られる「もの派」を代表するアーティストです。彼は主に自然素材や人工素材と、それらが存在する空間との関係を探求することに興味を抱いていました。
彼の作品は『Phase-Mother Earth』(1968)のように、土や石を惜しげもなく配置することで、ユートピア的社会や神話を想起させます。
「私は自然への憧れ という視点で作品を作っています
私の仕事は自然の豊かさを 見る人に伝えることだと思っています」
1942年に埼玉県で生まれた関根は、1962年多摩美術大学に入学し斎藤義重の下で学びました。1968年に同大学の大学院油絵研究科を卒業し、同年 現代日本野外彫刻展で深さ2.7m、直径2.2mの穴と、全く同じ高さの直径で出来た土の円柱で構成した作品『位相―大地』を発表しました。このダイナミックな作品は李禹煥(リ・ウーファン)らに注目され、「もの派」が生まれるきっかけとなりました。
1970年には荒川修作と共にヴェネチア・ビエンナーレの日本代表に選出され、1986年にはパリのポンピドゥー・センターでのグループ展「Japon des Avant Gardes 1910-1970」に参加するなど、数多くの重要な展覧会に出品しました。その後関根は2年間ヨーロッパに滞在し、イタリアやスイス、デンマークで作品を発表しました。帰国後の1973年には 日本ではまだ馴染の無かった「環境美術」をテーマとした活動をするべく環境美術研究所を設立しました。関根は日本とアメリカを拠点に活動し、多摩美術大学および神戸芸術工科大学の客員教授を務めました。
関根伸夫は2019年にロサンゼルスで亡くなりました。
現在彼の作品は デンマークのルイジアナ近代美術館、オスロのヘニーオンスタッド美術館、大阪の国立国際美術館、東京の原美術館、国立国際美術館、世田谷美術館などに収蔵されています。
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