■インタビュー■
キュリオ・アドバイザー 佐藤さんに聞く 作品展示のポイント Vol.1
キュリオでは、アート作品を購入前のお客様が、ご自宅やオフィスなど、様々な場所に作品を飾る時、どんな作品を、どう置く・飾るのか、悩んでいることに着目しました。
その悩みを適切に素早く解決に導くため、アートディレクターのManiackers Design(マニアッカーズデザイン)代表/主宰の佐藤正幸氏をアドバイザーにお迎えしました。
・Maniackers Design:https://mksd.jp/
アドバイザー就任にあたり、キュリオ・渡木が佐藤さんへインタビューを行いました。
とねぎ(以下・と):早速ですが、このアドバイス、どんな場面で、アドバイスが役に立ちそうでしょうか?ご購入するときは、もちろんですが、それ以外にどんな場面がありそうでしょう?
佐藤さん(以下・佐):展示環境については、まず温度、湿度、直射日光として問題ないかのチェックが重要ですね。
と:そうですね。特にこの中では、湿度に関しては気にしたほうが良いですね。普通に暮らしていて、カビが生えなければ問題ないでしょうが、湿地などのカビが気になる土地は、対策が必要ですよね。
温度については、変化が激しくなければOK。アクリル板の額に入れれば、ヤケは防げますが、直射日光は、避けたいですね。
佐:この温度、湿度、直射日光などの劣化などによって、価値が下がってしまうような環境下での展示は極力避けるべきです。作家から、ギャラリーから、キュリオから適切なアドバイスがありますので十分に参考にされると良いですね。
と:そうですね。どんどん聞いてください。
佐:美術館や博物館、ギャラリーに行かれた際に、その作品がどのような環境で、壁で、床に展示しているか。どのような照明で光をあてているかなど。作品そのものを見るのに加え、展示する側に立って観察する事で、多くの情報や学びが得られますね。
と:照明は、LED照明が良いですね。温度が上がりにくいので、ヤケにくくなります。確かに、美術館、博物館は、視点かえてみると勉強できること、多いですね。
〇サイズ問題〇
※キュリオではこんな感じで作品を飾っています
佐:展示する空間に作品のサイズに対して十分な余白があるかのかも重要に思います。
ひしめき合うように作品をビッシリと展示するのも面白い試みですが、基本的には作品と作品に十分な余白を設けると1つ1つの作品と丁寧に向き合う事ができますね。
美術館などでも作品と作品の間隔を十分に開けて展示しています。作品にもよりますが、額装されている作品であれば、目線の高さで展示する事が理想ではありますが、多くの人が行き交うような場合には手の届かない高さ、場所にあえて展示する事で、他人にいたずらされる事も無くなりますし、見上げるような視線がしっくりくるような作品もあると思います。連作など複数ある作品であれば、均等に展示すると気持ちが良いですね。作家の思いに寄り添った展示になれば良いですね。
と:作家の思いに寄り添うって、いいですね。
あるコレクターのご自宅に伺ったとき、壁という壁に、所狭しと飾ってありました。折角のコレクションなので、できる限り全部出して飾っておきたい、とおっしゃっていましたが、それはそれで、作家も喜んでるんじゃないかと思いましたね。ただ、展示というか見せ方で、作品の良さが引き出されたり、逆もありますね。佐藤さんのおっしゃるように、1点1点向き合えるような見せ方は事前に確認したいですね。
次回につづく・・・
◆Maniackers Design(マニアッカーズデザイン)代表/主宰
佐藤正幸(さとうまさゆき)
1995年にManiackers Design設立。広告代理店勤務を経て 1999年に独立。
群馬県高崎市を拠点に、ブックデザイン、ロゴデザイン、パッケージデザイン、様々なメディアでのアートディレクションや 執筆活動まで幅広くこなしています。
Maniackers Design:https://mksd.jp/
◆「この作品、どこに、どう飾るのがベスト?」
キュリオでは、このようなお悩みを、作品購入前のお客様からお問い合わせをいただくことがあります。アドバイザー佐藤氏には、皆様それぞれにあった展示方法や場所などをアドバイスしていただきます。ぜひお気軽にお問合せください。